oratorio〜聖譚曲〜
──……後ろに気配を感じ振り返った。
「チェリーボーイ……?」
そこには噂の王子様が。
あぁ…
幻聴の次は幻覚が……
うん。今すぐにでも病院だ!!
なんて思いながら、
─…かわいそうだなぁ。チェリーなんて残念な名前で……。
心の中で呟く。
「……シェスタ、ですよ」
ニッコリと笑顔を向ける王子。
……あれ?Mr.チェリーじゃないんだ。
「…Mr.チェリーって何ですか?」
笑顔で……
いやっ!
目が笑ってないよっ!?
「こ、心読まないでよ!プライバシーの侵害だぁー!!」
怖すぎる……!!!
「いや…全部声に出てましたよ?」
………………デンジャラス!!
「…意味不明です。」
………………やるな、チェリーのクセに。
「いや、だからシェスタ……」