この世で一番大切な人へ~モデル~
6章 2人の距離…


カシャッカシャッ


今私は連ドラの共演者である辻宮類と撮影をしている。

さっきいきなりキスをした張本人は何もなかったかのように満面の笑みでカメラの前でポーズをきめている。


私はと言うと…プロになれるんではないかと思うぐらいの完璧な笑顔で隣にいる。


「夕奈ちゃん、類くん!!もうちょっとくっついて恋人みたいな雰囲気だせるかな?」


マジかよっ!ただでさえ今この人の顔みたくないのに…でも、ここは私の演技力でっ!!


「はいっ!」


隣を見ると類がニヤニヤしてる。

※ここからは、コショコショ話で話します。ややこしくなるのでコショコショ話は[ ]で表します。by作者★


[なっ何よっ!!]


[いや、別に~?もう俺に惚れちゃったのかなって思ってさあ♪]

なっこいつ~!


[私にはれっきとした彼氏がいますんで。あなたには惚れません。]


「はっ!?マジかよ~!!!!!」

[ちょっと!何大声で言ってるのよっ!]


「どうしたの!?類くん!!」


そりゃあカメラマンさんもビックリするわ。


「何でもないです。すみません。」


「そっか。あっそうだ!!次腕組んでくれる?」


「はっはい。」


くっそー。これも仕事のため。


このときの私はこの決断がこれから起こる様々な事件の幕開けになるという事を思いもしなかった。

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