SLS

◇◆◇



「今までも一緒だったけどこれからもさ、ずーっと一緒に居ようね」

そう幸せそうな彼女に俺は小さな意地悪を。

「よく言うよ。あんなに俺の気持ちに気づかなかったのにさ」
「っそれは…。えへっ」
「えへ、じゃねえよ。今まで俺の気持ちに気づかなかった分ちゃんと穴埋めしてもらうからな」
「…どうやって?」
「1日一回教室で『愛してる』って言って、キスする、とか?」
「っ…!!!司衣のバカっ。もう知らない」
顔を背け拗ねてしまった絵莉衣はベッドに寝ころんでしまった。俺も隣に寝ころび絵莉衣の長い髪を手で梳く。

「絵莉衣」
「…」
「こっち向いて」
「…やだ」
「絵莉衣、好きだよ」
「っ、いじわる。司衣のバカ」
「はいはい、こっち向いて?」

体ごとこちらを向いた絵莉衣の顔は真っ赤だった。
あぁ、なんて愛おしいのだろう。


「絵莉衣、好きだ」
「私も好きだよ、司衣」
「そうだ、穴埋めさ…俺が社会人になったら、」
「うん?」

真っ赤に染まる耳元で囁く。

「結婚しよっか」
「っうん、うんうん!」





涙を流す絵莉衣を見ながら、もう離さない。そう思った。
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