水晶の傷跡
「はーい、ただいま」

 返事を返して、カウンター裏のボックスから大袋のピーナッツを取り出し、小皿に盛る。

 それを差し出すと、満足そうな笑顔でピーナッツは引き取られていった。

 あぁいう笑顔は、うらやましい。大人の笑い方だ。

 ニコニコ、ではなく、あえて言うならカラカラ、だろうか。愛想笑いというわけでなく、魅力を詰め込んだ笑顔。

 あんな笑い方が出来たら、振り向いてもらえるかな? そう思いながら隣を見るが、彼はこちらに気づかない。
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