ねこの散歩道
プロローグ
「星、見えないな。」


わたしの隣でひとりの青年が呟いた。


当たり前じゃん。ここは夜だって明るい街だよ。

わたしはそう思いながらも、空を見上げて黙っていた。



「俺のいとこが住んでる場所はな、星がめちゃくちゃ綺麗なんだ。」


彼はそれだけ言って、わたしを抱きしめた。


「すっごくいいところだから大丈夫。安心して行ってこい。」


少し震えた声をごまかすように明るく話す彼。わたしは彼を抱きしめ返して、静かに頷いた。





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