夢みる蝶は遊飛する

紫紺の魔術師



憎悪の奥に哀しみをたたえた瞳が、切ない願いをこめているように見えて仕方ない。


嫌いという言葉は私に向けられたものではなく。


その、嫌いという感情すらもなにかを隠しているような。




「先輩、全国レベルのチームのプレイヤーだったんですよね。なのに今はマネージャーってことは、こんな弱小高校でなんかプレイする価値がないっていう意味ですか?」


違う、と言いたいのに、言葉が出てこなかった。




「その顔の下では、馬鹿にしてたんですか? こんなところで、県大会に出ることを目標にしてる俺たちを」


どうして、そんなことを言うのだろう。


「全国レベルがそんなにすごいですか?
東京じゃなきゃ、本気でバスケできないんですか?
皇ヶ丘学園が、そんなにいいんですか!?」



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