私の道 ―(実話)―
「ごめんね、梨華」


戻ってきた陸の唇は、かすかに震えていた。


作り笑顔がひきつっている




「俺さ、あすかの所に行って、話してくる」


伝票を持って立ち上がる陸。


「え?今すぐ?」

「うん、早いほうがいいから。今日は本当にごめんね、家まで送るよ」


「うん、わかった…」






嫌だと言えない雰囲気だった。

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