私の道 ―(実話)―
「ねぇ陸。明日休みだし、このまま泊まって行こうよ」
タバコを吸ってる陸の背中にくっついて、甘えた声で言った。


「このまま寝たら明日の夜まで起きられそうもないから帰ろう」

そう言って、陸はさっさと服を着はじめた。



“やっぱり…ムリだよね”

断られるのはわかっていたけど
少し悲しかった。



それでも、あきらめずに
私は笑顔で聞いてみた。


「明日は朝から用事でもあるの?もしかしてスロットでも並ぶの?」


「バレた?梨華には何でもわかっちゃうな~。
儲かったら一緒に旅行でも行こうよ、もうすぐ夏休みだろ?」


「ほんと!?そんなこと言われたら期待しちゃう!」



飛び上がるほど嬉しくて
陸に抱きついた。


「おぅ!期待してて」

いつのまにか陸はシャツを着るだけだった。


私も慌てて服を着始めた。



陸はいつも私に期待させる。

私はいつも信じて待ってしまう。



その願いが叶わないものだと知りつつも…。
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