私の道 ―(実話)―
あちこち包帯でぐるぐる巻きになったまま、大ちゃんのTシャツとジャージに着替えた。



「アハッ、やっぱり大きいわ」

「ほんとだ、この服はどうする?」



私の着ていた服は、明るいところで見ると思っていたよりも悲惨な状態になっていた。



「それは捨てちゃっていいよ、見たら思い出しちゃうから」

「…犯人、ぶっ殺してやりてぇ!!」


大ちゃんは服を握ったまま怒りをあらわにした。


「もういいの、犯人探しなんて絶対にしないでね。
私に隙があっただけ、私が悪いんだから」

無理に笑顔を作った



大ちゃんは私に背を向けた。


少し沈黙が続いた。
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