ice prince
また離れていく距離


朝いつもどおりに登校する。

やはりいつもどおり怜くんが登校してくる。

「怜くん、おはよ」

私はバタバタと怜くんの側に駆け寄る。

「ん」

たった一言『ん』で片付けられた。

機嫌が悪いのかな…

そう思いながら怜くんの後ろをちょこちょこ歩く。

「悪い。急ぐから。」

やっと振り返ったかと思えば、そう述べてさっさと校舎に歩いていってしまった。

は…早い…

私はいつもどおりのんびりと歩きながら教室へと向かった。

いつもどおり靴箱には画鋲が沢山入っていた。

もう気にしない。

そんなこと1つ1つ気にしていたら身が持たない。


そんな生活が1週間程続いた頃。

私に対するいじめがぱったりと止んだ。

そして、怜くんの態度も前よりもっと冷たくなった。

「なんか、怜くん最近おかしいね」

「うん。りまもそう思う?」

「当たり前。何かあったのかな?」

「分からない。秋くんは知らないの?」

「秋に言っても知らないって。多分これは本当だと思う」

「そっか…」

いつもどおり休み時間

お気に入りのカフェオレと紅茶クッキーを口にしながら

りまと話をしていた。

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