俺様執事に全てを奪われて
「傍から見て…どうこうじゃないだろ?
結婚って
大事なのは、結婚する当事者の気持ちだろ
俺はままごとの延長でいいと思っている
厳粛で重いものじゃなくていいと考えている
乙葉が俺を好きだって思う気持ちと
俺が乙葉を好きだって気持ちが大切であり、一番重要なんだろ
違うか?」

元はどうして…こういうときに凄く優しいんだよ

わたしは隣にいる元の腕にしがみついた

「不安なんだ
好きだ…でも、なんか自信がもてない
どうして元がわたしを?って思うと、自信がないし不安なんだ
わたしは元に特別、何かをしたわけじゃない
いつも元にしてもらってばかりだ」

ぎゅっと元が抱きしめてくれた

元の胸に、わたしの耳がつく

元の心音が聞こえてきた

少し早いかも?

元も緊張しているのか?

「乙葉、人を好きになるのに何かしないといけないのか?」

「え?」

「俺は乙葉に好きになってもらいたくて、いろいろなことをしてきたわけじゃない
ただ笑顔が見たかったから
楽しそうにしている姿が見たいと思ったからだ
好きになってもらいたいという気持ちは最初はなかった
そりゃ、俺が乙葉への感情が恋だと知ってからは、好きなってもらいたいという感情はあった
全くなかったわけじゃない
だからって、俺がこれだけのことをしたんだから、好きになれよ…って押し付けるのは変だろ?」

< 169 / 224 >

この作品をシェア

pagetop