俺様執事に全てを奪われて
きっかけは見合いで飲んだ媚薬
『お食事のご用意はできていますので』

廊下から人が近づいている足音と、声が聞こえた

障子がすっと開いて、和服の男性が室内に入ってくる

あれが有栖川聖一郎

色白だなあ

ぱっちり二重に、黒い瞳

漆黒の髪に、つややかな肌が綺麗だ

人の良さそうな顔立ちだ

元とは違う

元は見た目からきついからな

黙ってれば、クールな2枚目なのに、な

口が悪い

態度もでかい

執事なのに…って父の前では全然態度が違うが

父の前で丁寧な口調で、一歩引いた行動を取る

まあ、わたしだから

馬鹿にしているのだろう

26歳が16歳に女に顎で使われるのは…プライドが許さないのだろう

あいつもどっかもお坊ちゃまだからな

社会経験のために、修行に出ている…って感じらしいから

いつかは執事を辞めて、家に戻り

家業を継ぐ男だ

年下に頭下げるは、つらかろう
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