俺様執事に全てを奪われて
…もう、終わったのか?

わたしは重たい頭を持ち上げた

深夜3時

元がわたしのベッドから出ていく

着ていたスーツをまたびしっと着直すと、鏡の前で髪を整えていた

「6時に起こす
それまで寝ろ
3時間しかないから、さっさと寝ろよ」

「夜更かしする力もない」

「そうか
…ならゆっくり休め」

元が、わたしの頭を撫でるとドアの鍵を開けて部屋を出て行った

すっかりいつもの元に戻ってる

薬が抜けたのだろうか?

なんか…疲れたなあ

元と抱き合ったはずなのに、すごく寂しい

好きな人の腕の中にいたのに、どうしてだろう

満足してない

なんか、苦しいよ

「…っく、ひっく」

目頭が熱くなると、勝手に涙が出てきた

元と抱き合ったのに

全然、幸せじゃない

悲しいよ

辛いよ

今だけ…泣くのは今だけ、だ

3時間後には、笑顔で元に笑わないと

そして有栖川の見合い相手として、しっかりと働かないとな

聖子に疑われないように

次の生理がくるまでの間に、有栖川と恋人がうまくいくように…したいんだ
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