Othello―オセロゲーム―Game
「だ…大丈夫ですか?若松さん。」
カヤの心配した顔が目の前に飛び込んできた。
ビックリした若松は、モモをだき抱えたまま、勢い良く起き上がり後退りした。
「大丈夫…みたいですね。」
半ば呆れ顔でカヤがほほえんだ。

最も、若松には悪魔の笑顔にしか見えないのだろぅが…。

モモは相変わらず若松の腹の上で嬉しそうに尻尾をふっていた。
「そのワンちゃん…知ってるんですか?」
カヤが遠目からモモを眺め回す。
「ん?あぁ…まぁね。俺が中3の時に、コイツが学校で鶏追っかけ回してて…。
ま・結局保健所の奴らが来ちまったんだケドよ。
そしたら、ココのオーナーさんが『可哀想』って言うもんで、うっかり拾っちまったんだよ。」
若松の手が優しくモモの頭を撫でる。
モモは、気持ち良さそうにじっと目を閉じていた。

一方のカヤは、目を真ん丸に見開いていた。
「え?若松さん…ココ出身なんですか!?」
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