死神の花
皆の非難の声を気にする事もなく、風花はそう言い放った。
その時の風花の瞳は、氷刃の如く、苛烈に輝いていた。

「ひぃ‥」


冷たい空気を醸し出している風花に、その場に居た人は皆驚き、恐ろしいと感じた。
先程までは普通の女子生徒と同じような奴だったのに。
今、誰もがそう思っていた。

「酷いよ、梓は嘘ついてないのにぃ‥」

声をあげ、峪下は啜り泣いた。
全てがわざとらしいのに、皆は容易に騙される。
風花は悪びれた様子もなく、ふんわりと笑った。
 
< 23 / 67 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop