恋するキモチ
二人で入った喫茶店。
一度もきたことがない店。

学校からはずいぶん離れているし、知り合いがいるなんて、思いもしなかった…。


「あれ?七瀬先生じゃない?」
「…あっ、佐々木先生」

七瀬に突然声をかけたのは、昨年勤めていた中学で一緒の学年を担当していた教師だった。


「七瀬先生、彼できたんだ。お邪魔だったかしら?」
「いえっ。そんなんじゃないんで…」

子連れの佐々木は、七瀬と徹平を見てにんまりと笑う。
「彼、若いね」
「本当に違うんですよっ。彼じゃないんで。部活の生徒で…」
「生徒?!」
目を丸くする佐々木。


あちゃー
弁解が余計に
混乱させた??

「…じゃ、じゃあ、またね」
急ぐようにその場を去る佐々木。

あーあ。
誤解したまま
行っちゃったよ…。

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