モラルハラスメントー 愛が生んだ悲劇

母の部屋の電話が途絶えることなく鳴り響いた。

直哉からだ。

最初は母が対応していたが、いくら説明しても『嫁を返せ』と主張する、しつこい直哉を無視することに決めたらしい。


母の部屋に泊まった二日目の深夜、裕子の携帯に直哉からのメールがきた。


『やっぱり裕子は俺を捨てるんだね。

誰よりも愛している裕子に嫌われた俺は、生きる資格がないってことだよね。

いなくなります。今までありがとう。』



裕子はそのまま母の部屋を出て行った。


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