sakura-君と出逢えて-




安心感というか安堵感というか……。


温かい気持ちが伝わる。





しばらく咲来に抱きしめられていると、ふんわりと暖かい春の風がわたしと咲来を包む。



「キレイじゃね?」



そっと咲来がわたしを引き離すと、風に誘われるかのように桜の花びらが落ちてくる。


1枚、また1枚と次々に落ちるピンクの花びら。



「このまま風が吹き続けたら、明日くらいには散っちゃいそうだね……」


「だな……今年はこれが最後かな……ゆずさん、見てますか?」



繋いだわたしの右手を咲来が上に上げて手を振る。









< 199 / 202 >

この作品をシェア

pagetop