sakura-君と出逢えて-
「ちょっ……」
「そっかー久しぶりだもんね! それに春と知り合いなら安心できるし!」
わたしの言葉を遮って由梨がうれしそうに話す。
もっとも、わたしと咲来がどうこうじゃなくて、史哉と二人っきりになれるのがうれしいんだろう。
でも、だからって……。
「じゃぁ、せっかくだから思い出話に花咲かせなよ!」
史哉までも無責任なことを言い出す。
史哉は……多分、わたしと咲来のことを知らないから……だからそんなふうに……。
わたしが止める間もなく史哉と由梨の背中が小さくなっていった。