とある青年の復讐劇

03

「た、たすけ、」



恐怖に歪んだ男の首を、躊躇なく掻き切った。



助けて。



そんな言葉が通じるならば、今死んでいく人間なんていないさ。



…血が。


血が見たかったのだ、純粋に。



絡んでくる人間は掃いて捨てるほどいる。


だから、斬る。




理性を吹き飛ばすためではない。




荊徒紫苑としての、理性を保つ為だけに。
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