愛の道は生きる道

14.リスタート

夢のような二日間が終わって、わたしはまたアシスタントの生活に戻った。

仕事後も公言ご法度状態のため、光に会えたことは、今まで誰にも話していない。

もちろん、話すつもりもないんだけど…



――ブルルル-- 
携帯のバイブが鳴る。

けれど、今はスタイリストのアシ中。
急いでアイロンがけをしているわたしに、携帯を見る暇などない。

「愛名、次の商品持ってきて」
「はいっ!」
スタジオに響き渡るくらいの大きい返事を出す。

そして、床に張り巡らされたコードに気をつけながら、次の写真撮影用の衣装を運ぶ。

「次、シフォンのワンピ、アイロンよろしく」
「はいっ!」

写真撮影の終わった商品を片手に、またスタジオ内を小走りする。

えっと、シフォンのワンピ…どれだ?

今日の広告撮影の商品衣装は、ざっと80点。
その中からカメラマンとスタイリストの先輩が指示した商品を探し出し、アイロンをかけておく。


これが、わたしの仕事。



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