愛の道は生きる道

16.あなたに会えて

わたしは会場を出て、フロアにある自動販売機でお茶を買う。

どこにでもいる、誰でもする行動だ。


他にミュージカルを観に来ている人となんら変わりない。
やはり、私は光とは違う世界の人間なんだ…。


そして、また関係者席に戻り、ペットボトルの蓋をひねる。

ゴクゴクゴク…

光に会って、相当喉が渇いていたみたい。

自分でも驚くほど、わたしはお茶を飲み干した。


あたりを見回すと、わたしが座っている席は、関係者席といっても別に何か仕切りがあるわけでもなく、一般のお客さんと同じ席だった。

周りには前半の舞台の内容を談笑するお客さんがたくさんいる。


わたしが関係者席に座っていることのほうが、非現実的なんだと思い知る。


「はあーあ」
なぜか深いため息が出た。


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