愛の道は生きる道

3.ブライダルフェアー

「いい!ピン出しだってよく考えてやってよね」

「はぃ・・・」

ピン出しが間に合わなかったアシスタントは、差し出したピンを堀田先輩に振り払われ、涙目になっていた。

そんな状況に、わたしたちアシスタントは改めて緊張感を取り戻す。



大手ウエディングドレスメーカーによるブライダルフェアーを明日に控え、日夜テクノアートの事務所ではアシスタントとヘアメイクの先輩たちとの練習会が行われていた。



アシスタントのわたしたちは一線で活躍する先輩に一人ずつ付き、ピン出しやメイク道具整理などをする。


ピン出しというのは、指にピンを挟み、先輩がわざわざピンをとらなくても済むように、早くへアセットができるように、アシスタントすること。


アメリカピン(髪を止める黒いピン)
Uピン(毛束を止めるUの字をしたピン)
スモピン(アメリカピンの小さいピン)
などいろいろなピンを指にはさみ、先輩の欲しい所に手が届くように考えて差し出さなければならない。


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