愛の道は生きる道
「愛名にはどうしても言えないって。福太から言われてたけど、あたしがどうしても耐えられないって。電話しちゃった」
「ミーヤ」

「あたしはさ、仕事入ってて、見送りに行けないの。だから、あたしの分まで福太のこと見送ってきて」
「うん!」

「午後1時発ののぞみって聞いてるから」
「わかった。ミーヤ、あのさ」

「なに?」
「ううん。ありがとう。仕事がんばってね」

「はい、じゃあね、急ぐんだよ」
「わかった」


こうはしてられない。

わたしはご飯もそっちのけで、バッグをつかむと、その足でそのまま部屋を出た。


服も化粧も、何にも気にしてられなくて、ただフクちゃんに会いたい一心で、駆け出していた。


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