正反対恋愛【完結】
先輩はゆっくりと、でも確実にあたしの元へ近付いてくる。


そしてあたしの前でピタリと立ち止まると、先輩はニッと眩しいほどの笑顔を浮かべた。


「よう。銀と仲直りしたんだって?」


「何でそれを……?」


「銀に聞いた。で、釘刺された」


釘刺されたってどういう意味だろう?


「銀に、『佐奈は渡しません』って言われた」


首を傾げて考え込んでいると、先輩はあたしの頭をポンポンっと叩き今まで見たことがないくらいの眩しいほどの笑顔を向けた。



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