涙の色は
ガバッ。

いきなり陽菜さんに抱き着かれる。

僕は真っ赤になりながら
「はっ…陽菜さん…?」
と情けない声を出すのが精一杯だ。

「うっ…はぅぅ…」

「あっと…あの…な、泣かないでください…」

「あっ…」

抱きしめ返すと、ようやく陽菜さんの泣き声は止まる。



そのまま、手を繋ぎ、二人は闇の中を行く。
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