続きは、社長室で。2
なんだろう…“大きな賭け”って…――
疑念を抱きつつ部長室を退出すると、再びエレベーターへと乗り込んだ私。
独りきりで乗り込めば、箱型の広さと閉塞感に押し潰されそうになるというのに。
桜井さんの理解不能な行動に絆されて、ソレどころではない空間となっていた。
到着音とともに箱型を脱出すれば、ヒールを気にせず急ぎ目に社長室へと向かう。
重厚な扉をノックすれば、久しぶりの感触にドキドキ感は増していくけれど。
「失礼いたします。
遅くなりまして、申し訳ございません」
「あぁ、お帰り」
室内に立ち込めるホワイトムスクの香りと、机上の書類を片す拓海に迎えられて。
優しい彼らしく気遣っているのか、ドア付近に佇む私の方へと歩み寄って来た…。
「…っ、すみません…。
お茶でも…、淹れて参りますね」
そのブラウンの瞳と視線が重なるだけで、ボッと心の炎が灯されてしまうから。
パッと視線を外し、逃げるように社長室内の給湯室へ向かおうとしたのに・・・
グイッ――
拓海の大きな手が容易く、私の腕に手を掛けて行動を制してしまう。
「…今まで、何してたんだ?」
「・・・っ」
私から放たれる香りの根源を探るように、首筋へと唇を寄せて・・・