続きは、社長室で。2


拓海らしくナイ、言葉遣いと所作の数々に驚かされつつも。



でも、ソレらに構っていられる“余裕”は与えて貰えなくて。




ううん…拓海に夢中で、何にも考えられなかった・・・





「アッ…、ンッ・・・」


しなやかな指先でなぞられる度、奏でるように声が漏れ出てしまう。




いつもよりも乱暴なのに…、その狭間に現れる優しい貴方に満たされて。



脳内を占領していた言葉や感情が、一気に跳ね飛ばされていくほどだった。




そんなまどろみに浮遊していると、クイッと顎を捕らえられてしまう。



虚ろな眼前に迫るのはもちろん、熱情的なブラウンの瞳だけ…。





「どうして欲しいか、ちゃんと言えよ…?」


「っ…、ゃ・・・」


思考回路がショート寸前の私に、至って冷静で清涼な声色が届いた。




齎されていた快楽を中断され、挙句の果てに“言葉”を求められれば。



高まりゆく熱は恥ずかしさで、さらに留まるトコロを知らないのに。




これが貴方の言う…“罰”の、始まりなの――?




< 57 / 226 >

この作品をシェア

pagetop