お姫様と7人の王子様


「は……は、は、ははい」


寒いはずなのに体中が熱くなる。


「アリス様?どうなさいましたか?」
「い、い、いえ何でも……」


ビルさんとの距離が縮まり更に顔が赤くなる。


「そうですか。それでは……失礼いたします」


そう言うと急にビルさんに引き寄せられた。

すると……今まで私の熱を帯びた体を冷ますように降っていた雪の感覚がなくなり、その代わりに体中に温もりが伝わってきた。

私はビルさんに後ろから抱きしめられていた。


「風邪を引かれたら大変ですからね」


上のほうから聞こえる声、仰ぐようにビルさんの顔を見ると優しく微笑んでいた。


「そうですね……」


目が合った瞬間そう言うと、ビルさんが一際優しい微笑をしてくれた。


これがサンタさんのくれたクリスマスプレゼントのように感じながら。
私は白い雪をビルさんと共に見つめていた。




END
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