キャッチャーミット。

親友に告げた秘密

アタシが安野のことが好きなことを知っているのは
リオと一組のミチルとミレイとマホ。

あれ…リオとミチルには自分から言ったけど
なんでミレイとマホは知ってるんやっけ…
…雰囲気やんな。

まぁ、いいけど。







―5年生3月。



短い春休みに突入した
アタシ達はいつものたまっている、ミカン公園で喋っていた。


今日こそ、告げなくちゃ。

「あんな…ウチ、安野のこと好きかも。」
あくまでかも。
まだ、はっきりしていないけど多分アタシは安野のことが好きだ。

「やっぱりー??
なんかミッチャン、リタがそうなんかなー?って思っててん。」

「あーリオも。シイっぽいなぁ、って思ってた。」

4年生の時から仲が良いミチルとリオ。
秘密は無しだ、それにこの2人は独特の雰囲気を持っているから
何故か秘密にしていてもすぐにばれていしまう。

ミチルは1年生の時から神田リョーマが好きって言ってたし、
リオは5年のはじめぐらいに両思いの人ができた、って言って
クラスが離れてもずっとその人が好きだって言ってた。
…自然消滅みたいだけど。


「じゃあ、6年クラス一緒やったらいいな。」
「やな。クラス替えドキドキやな。」

恋をしているならやっぱり淡い期待を抱いてしまう。
2人ならなおさらだ。


どうか、神様。

安野と同じクラスにしてください。

アタシは心から、そう願った。



あとから、アタシ乙女やったんや。って冷静にも思ってしまった。

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