捨て猫
「だいたい、デートに誘ったんだから何かあることぐらい普通わかるだろっ」
「そんなのわかりませんよっ」
「つーか、里那ちゃん鈍すぎっ」
「そんなことないですよっ」
ふたりとも興奮して、話がなかなか前に進まない。

「…でっ、結局付き合ってくれんの」
ようやく落ち着いた先輩は、話をふりだしに戻す。

「………はい」
ちょっとだけ迷って、返事をした。
「…マジ!?よっしゃー!」

―――こうして、あたしは隼人先輩の彼女になったのだ。
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