Sin
開いているのは食材を置いている棚の扉。びろびろに伸びた服の裾に入れた果物やパンを、か細い腕が大事そうに抱えている。

てっきり金めの物を盗られていると思ったジャックは一瞬拍子抜けした。

「お腹すいたのかい?」

少年はびくびくしながらベッドから下りてくるジャックを睨んだ。

「お腹すいたなら何か作るぞ?」

近づいてくるジャックの姿に少年は怯える。来るなという叫びも出せないほどに。

それは自分がしている事を怒られる事や、叩かれる事を怖がっている表情では無かった。

例えるなら、獲物を狙う猛獣を前にすくんで動けない小動物のような姿。


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