Sin
懐かしい甘さと消せない苦み
《Chapter 11
  懐かしい甘さと消せない苦み》



「3.14」

商店街の冷ややかな視線を抜けた所で顔を見合わせ、シンとジャックは笑顔で合言葉を口にした。




あれから毎週、日曜日にシンはセイジに会いに行った。

セイジとミーミル、そしてナディア。三人は必ず笑顔で出迎えてくれた。

三人以外にも、入れ代わり立ち代わり何人かの子がシンに会いに来た。

少しずつみんなと打ち解けたシンは、ジャックが席を外してもみんなと一緒に遊べるようになった。ぎこちないとはいえ笑顔も見せるようになった。

トランプ、双六、いろんなゲームを教えてもらった。中庭で木登り競争もした。

みんなが気にしないでくれるから、施設に来た時は自分の肌の色を忘れられた。

ジャック以外にも、自分を受け入れてくれる人がいる。

少しずつ、シンは“自分の存在”に自信を持ち始めた。


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