Sin
木から下り、黙って考えこんでいるシンの肩をぽんと叩いてセイジは言った。

「気にする事ないよ。シン君が悪いんじゃないんだから」

うん、と頷いて笑って見せる。

セイジの気遣いが嬉しい反面、自分の存在が彼らの生活を脅かすのかと思うと気が重くなった。

俺にはジャックがいる。でも、みんなはこの施設がなければ行く場所が無いんだ。

俺、みんなが好きだ。やっと仲良くなれた。毎週みんなに会うのが楽しみになってきてた。

でも。

シンは待ち合わせの場所へ向かう途中、辛そうな表情をして施設長と話しているジャックを見かけた。


俺、どうしたらいいんだろう。

この国で生きてくために。そしてみんなに迷惑をかけないために。

一体どうしたら、いいんだろう。

いつもと変わらない笑顔で接してくれるジャックの背中を見つめ、シンは自分がどうしたら良いかを真剣に考えはじめた。


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