Sin
二人は二年前、この養護施設に保護されてきた。

ここには事故等で親を亡くしたり、理由あって親元を離れた子ども達が住んでいる。

最近では『理由あって』ここに保護される方が多く、何かしらの『傷』を抱えている子ども達の心のケアに重きが置かれている。

「なかなか理想通りには行きませんが」

施設長は溜息混じりに言う。

「国からの援助も減らされましたし、企業からの寄付も年々減っています。しかし、保護が必要な子ども達は増える一方で」

窓の外に見える林檎の木を見つめて、彼は続ける。

「一人でも多くの子を助けたい。そう願う気持ちはあっても、資金や人手が無いと難しく……ジレンマですよ。理想と現実の狭間で」


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