Sin
教室に入ると、子ども達がジャックにまとわり付いてきた。

ね、先生、聞いて聞いて。

口々に話したがる子ども達一人一人に挨拶し、今日のプリントを手渡す。

プリントに印刷された問題に真剣に取り組む子ども達。

子どもの知識欲は大人の想像を超えている。スポンジのようにどんどん吸収していく様子を見ていると嬉しい反面、きちんと学校に通わせてあげられない現状が悔しくなる。

「どこが分からないのかな?」

来たばかりで周りに溶け込めず、一人で寂しそうにしている子にジャックは近づいた。

「……ここ」

言葉少なに言い、びくびくしながらジャックを見上げる女の子。首筋には火傷痕。

一瞬、家に来た当時のシンと彼女がかぶる。

ジャックは優しく微笑みかけ、絵や図を描いて説明した。

「……あ、分かった」

彼女は正しい答えをプリントに書く。

「そう。よく出来たね」

褒められた彼女は小さく笑った。理解出来たという自信が、彼女を自然と笑顔にさせた。


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