chance
一気に捲し立てられた母は

『あなた……そんなに喋る子だったっけ?』って………

母さん……そこを気にしますか?しかも、今初めて私の顔見たし……

私『…そんな事はどうでもいいから、質問に答えてよ』


母『質問って言われても…あんなにいっぱい言われたら、何から答えたらいいのか分からないわよぉ…』


私『じゃあ…お父さんって何してた人なの?』

ありきたりな質問からしてみた


母『俳優よ!』


うん
ありきたりな答えじゃなかったね!


私『は…は…はいゆう?』


母『そうよ』

あらあんた知らなかったの?
みたいな軽い『そうよ』に、今私の顔は世界一不細工な顔をしているに違いない


私『俳優って…テレビに出てる人?』


母『そうよ!』

だから、軽いんだよ!!

そんな軽く言う事かよ!とっくの昔に死んだと聞かされていた父の存在を知って、知ったと同時に又死んで……


うん?……死んだんなら一緒か?

いやいや…そう言う事じゃなくて


私『俳優って……一体誰よ!』


そう言うと、母はテレビを付けた。

そこには、有名な俳優の人の告別式が映し出されていた。




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