私の王子様-社長【完】
「おい…」
そんな感傷に浸っていると後ろから低い声が聞こえた。
早くしないと…
「できた」
私がそう言うと男は私に背を向けついてくるように指示をしいた。
「乗れ」
さっきまでの優しい感じとは違って急に命令形になる男。
きっとこっちが素なんだろうな…
そして目の前には黒の高そうな車。
ずいぶんな金持ちに買われたものだ…
あの女もよくこんな男と知り合ったな。
そして私はおとなしく車に乗った。
別に抵抗したって何の得もない。
それよりもこの男誰なんだろう?
私の頭にはその疑問だけが残った。