世界の説明書



月が でたでた 月がでた あ よいよい

 また歌ってるあの歌だ。月が出るたびにあの歌を歌ってる。今日はあの青い服が真っ黒になって戻ってきた。必死に洗っていたけど、あれはちゃんと落ちないな。何してきたんだろう。また、この前みたいな事してきたのかな。だったら

 許せない


 あんな事ができるこの男も、あの男も、絶対におかしい。自分のしたいことを何でもしていいなんておかしい。駄目だって事が分かっていない。わからせなきゃ。絶対に生きていたらいけない種類の人間だ。

 殺してやりたい


 でも、それをすれば自分も彼らと同じになってしまう。でも止めなければ。また、誰かが、死ぬ事になる。壊れかけたラジオから男性アナウンサーの神妙すぎるが興奮しきった声で必死に何かを伝える音声が流れていた。
< 149 / 200 >

この作品をシェア

pagetop