あいつのお気に入り
始まり

「…彼氏と別れた」








ワイワイとざわめく教室の一角で今日も親友の夏揆(ナツキ)といつものように話をする毎日。


今日は夏揆の突然の一言から始まった。


「…え?」

思わず持っていたジュースを落としそうになるあたし。

それもそのはず。

だって夏揆には中学2年生の頃からの彼、健(タケシ)がいてっ!

誰もが羨むくらいのオシドリ夫婦ならず、オシドリカップルだったのに。


いっつも休み時間になると彼氏がいないあたしに嫌味かと思うくらいノロケてきたのに。


そんな二人が。


「なっ何で!?」


気がつけばあたしは机に身を乗り出して尋ねてた。
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