愛してよダーリン

不良とあたし





あたしは洗面所に行き、すごい早さで髪の毛を巻き、すごい早さで薄いメイクをして、すぐに紫音と家を出た。



右隣に住んでる樹ん家。



昨日別れた時には樹ん家の庭に置いてあったあたしの自転車が、もうすでに無かった。



どうしよう……!



なんてあたしが慌ててる時、紫音は自分とあたしのカバンを持って、スタスタと学校の方に向かって歩き始めていた。




「えっ?!ちょ、紫音?!」



あたしが叫んでるのにも関わらず紫音は振り返りもせず、どんどん歩いていく。




紫音とは幼稚園の時から仲が良いから、紫音のこういう冷めた態度は別に気になんない。



どっちかっていうと、あたしがよくしゃべるタイプだから、


あたしが1人でしゃべって、紫音はそれを相づちもなく聞いてるのが、あたしたちの中では普通で。



だからこそあたしたちはつりあってるのかもしれない。



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