いばら姫
・灰と、ダイヤモンド
――― 夜中の
さっき携帯のアラームが鳴ったから
多分、0:00位
暗闇の中で
向かいのベットに寝ている真木が
寝返りをうつ
フロアのソファで眠っていた灰谷は
青山に起こされ、一緒の部屋に入り
それから一切動きは無い
俺独り、布団を被って
まんじりとも出来ずにいる
" ベースを渡せば、もう何もしない "
そう 水谷は言った
……本当か?
たかが一本の楽器で、カタが着くのか?
…確かに俺だって
限定品が欲しくて、
ショップに列んだ事がある
しかもあの言い方じゃ
…アズの存在すら、
コレクターズアイテムに過ぎない
――― 右側の方
アズの部屋から、扉が開く音