【完】宛先不明のラブレター

_#2 運命



「お疲れさまです、お先に失礼します」


ぺこり、と軽くお辞儀をして、荷物を持って外に出た。




研修医として、自分が生まれ育った地域の大病院に勤めて、早6ヶ月。

俺の横に、茉莉はいない。


そういうと茉莉が消えてしまったように聞こえるが、決して消えたわけではないし、離婚したわけでもない。

ただ、勤め先が違うだけ。


< 135 / 391 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop