【完】宛先不明のラブレター


「果枝ちゃんって、嘘つくの下手だね。」

「…あたし、純粋なんで嘘とかつけないんですよ」

「…っ、そこで純粋か…っ」

「な、そこで笑うことないじゃないですか!」


果枝ちゃんの言葉に笑っていると、果枝ちゃんが俺の腕をぺしっと軽く叩いた。

それに反応して、俺は無意識のうちに果枝ちゃんの手をぎゅっと掴んだ。




「さ、さとるさ…?」


戸惑ったように俺を見つめ言葉を発した果枝ちゃんに、もう戻れないと思った。

もうこれ以上、自分をごまかしきれない、と。


呼びかけられた次の瞬間、俺は彼女を抱きしめていた。


< 219 / 391 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop