【完】宛先不明のラブレター
「…?!」
「形勢逆転だね?」
「なっ、え、え、」
「大人をからかうもんじゃありません。」
「からかってなんか…!」
「相手が俺だからいいよ、まだ。 でもそこらへんうろついてる男だったら確実にホテル行きだよ?」
覆いかぶさるようにあたしに跨がっていた聡さんは、ため息をこぼしながらあたしの上からよけた。
「…」
「だいたいなんでいきなり…」
「…別に聡さんならホテル行ったっていいもん」
「はいー…?」
「っ、好きだから、! 好きだからキスしたに決まっ「もう喋らないで、」
あたしのこの一言が全てのきっかけになるなんて、この時は思いもしなかった。