【完】宛先不明のラブレター

_epilogue



ギシ、ギシ、とベッドの軋む音を聞きながら、少し疲れが残る体を起こした。

となりで眠る果枝を見て、なんだか無性に泣きたくなった。




『女には、ハッキリした理由がなくても泣きたくなるときがあるのよ』


いつだったか、そんな言葉を誰かに聞いた。

そのときは、女って大変なんだなと思っただけだったけど。


今なら、その気持ちがわかる気がする。


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