【完】宛先不明のラブレター

_#6 現実



現実はいつでも厳しいものだと、思う。




「…来ちゃった…。」


ごく、っと息をのむ。

やっぱり裕太についてきてもらえばよかったかなぁ、なんて早速後悔している自分がいた。




お昼過ぎ。

裕太に忠告を受けた、次の日。

あたしは聡の勤めている高台病院へ来ていた。


元々体は丈夫な方なので、この病院にお世話になったのは小さい頃の1、2度。

予防接種なんかは家の近くにある個人経営のところで済ませていたし。




「…誰かに聞くわけにも…、いかない、よね。」


ぶつぶつと独り言を言いながら、病院内から中庭に出た。


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