Treasure!
そんな訳で駅のホームに立ち、真っ白な蒸気を吐き出す機関車の客車へ。

「すっげーな、これが人類文明の結晶って奴かあ」

田舎者丸出しでキョロキョロする俺。

「蒸気機関車なんて、人類の文明の中では大した事ないわよ。人間達は、海の向こうの相手と機械を通して会話をしたり、空を飛ぶ機械を発明したり…挙句の果てには宇宙にまで行ける文明だって持ってたっていうんだから」

ティアは落ち着いたもので、客車の席に座ってスラリとした足を組んだ。

「ほら、コウも少し落ち着きなさいよ。席に座って窓の外見てみなさい?いい景色よ」

言われるままに、席に着く。

車窓から見えるのは、気を失いそうなほどに真っ青な空と照りつける太陽を反射する白い砂地。

どこまでも続く地平線は、何も遮るもののない広大な砂漠だった。

< 139 / 372 >

この作品をシェア

pagetop