Treasure!
迷うまでもない。

ローチの群れを近づけないように援護射撃をする帝都軍。

その銃弾を掻い潜って、俺とティアは縄梯子へと走る。

逃がすまいと追いすがる、黒い醜悪な蟲ども。

その手を払いながら、俺はまずティアに縄梯子を掴ませる。

そしてそんな彼女を背後から抱きしめるように、俺も縄梯子を掴む。

「上昇!」

叫ぶリハード少佐。

気球は上昇を始め、やがてローチ達の手の届かない高度にまで舞い上がる。

…小さくなり、遠ざかっていく密林。

やっと…やっと安堵の溜息がこぼれた。

南米大陸脱出。

俺達は過酷な戦いの末、またも生き延びたのである…。






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