Treasure!
中国大陸の港町で見た人混みも相当だと思っていたけど、この街に比べると何て事はないのだと思い知らされる。

大通りに、この街の全てのエイプが集まっているんじゃないだろうか。

それ程の混雑だった。

「しっかりついてきてよ。迷子になったらもう探せないわよ」

ティアが言う。

迷子になんてなるかと言い返したい所だったが、迷子にならない自信もないのでやめておいた。

人ごみを掻き分け掻き分け大通りを進んでいくと、大きな酒場に辿り着く。

「ここにしましょうか」

「この際どこでもいいよ。俺、腹ペコペコでさ」

ティアに先んじて、俺は酒場に足を踏み入れる。

久し振りに肉料理を食いたい気分だった。

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